特殊清掃員の仕事内容とは?ぶっちゃけ儲かるの?

特殊清掃員という仕事をご存じでしょうか。

近年、超高齢化社会の影響から特殊清掃の需要が高まっています。一般的な清掃業に比べてとてもハードなイメージがあり、興味があってもなかなか足を踏み入れられない職種といえるでしょう。

今回は、特殊清掃員の仕事内容について詳しく解説していきます。

肉体的・精神的にきつい仕事なため給料が高い印象のある特殊清掃員。詳しい仕事内容や、資格の有無、向いている人・向いていない人についても紹介します。

目次

特殊清掃員とは

特殊清掃とは、家で孤独死した故人の部屋の清掃・片付け・遺品の整理を行なう仕事です。一般的な清掃業とは異なり、遺体の損傷によって汚染された部屋の清掃をメインとします。

アパートなどの賃貸物件は、退去時に部屋の原状回復が必須です。しかし、病死・自殺・殺人・火災などが起きた部屋は、遺族だけで元通りにすることは困難です。

なかでも、亡くなってから発見が遅れた現場は遺体の腐敗による汚染がひどく、特殊清掃が必要になります。体液・血液の洗浄や消毒をはじめ、ハエやウジ虫などの害虫駆除、家財の処分と、その仕事は多岐にわたります。

近年、日本は少子高齢化社会の一途をたどっており、一人暮らし世帯は増加傾向にあります。それに加えて近所付き合いの希薄化も進み、より孤独な世帯が増えている状況です。

自宅で亡くなり発見が遅れる理由はさまざまですが、先述した状況もおもな原因と考えられています。近所との関わりがない、家族が近くに住んでいない、そんな孤独な環境が身近にたくさん存在しているのが現状です。

特殊清掃員の仕事内容

特殊清掃員が行なう仕事内容を詳しくご紹介します。

特殊清掃

特殊清掃では、おもに遺体の発見が遅れた部屋の清掃を行ないます。専門的な知識をもとに、汚染物の除去・害虫駆除・消臭といった作業をします。

人は亡くなった瞬間から少しずつ腐敗が進行していき、次第に全身の毛穴から体内の水分や血液が流れ出します。この水を体液といい、最後は全身が液体となって溶け出します。環境によっては2~3日でこの状態まで進行してしまい、部屋の汚染状況はより深刻化していきます。

その際に最も問題となるのが腐敗臭です。部屋に染みついた臭いはなかなか自然には消えません。特殊な薬剤や機械を使用し、専門技術を用いて消臭作業をしていきます。

遺品整理

遺品整理とは、亡くなった人が所有していた家財などの整理・処分です。特殊清掃をご依頼いただくこともありますが、ほとんどが遺品整理も合わせて行なわれます。

部屋の汚染がひどい場合は家族が中に入りたくても入れないことが多く、特殊清掃員が遺品の仕分けを手伝います。

他にも、自分一人では片付けられないから手伝ってほしいときや、家族が遠方で片付けにこられない場合など、依頼理由はさまざまです。

ルームクリーニング

ルームクリーニングでは、エアコンや浴室やキッチンの水回りなどの部屋の清掃を行ないます。特殊清掃とは異なり、ハウスクリーニングのような一般的な清掃がメインです。

フローリング・壁紙・水回りなどは、汚れの強度に合わせて専門の洗剤や道具を使用し、部屋の隅々まできれいにします。

エアコンや浴室乾燥、換気扇など分解が必要な箇所のクリーニングも業務の一環です。特殊清掃と一緒に行なうことで、消臭の効果を最大化します。

火災現場や水害の復旧作業

特殊清掃員は、火災や水害の現場などより専門的な知識が必要な作業も行なっています。

火災現場の場合、ボヤ程度の小規模火災でも軽作業で済むことはありません。部屋全体に充満した煤の清掃を行ない、すべての家具を丁寧に清掃・消臭します。

水害現場では、たまった水の排出や水没した家具の清掃・処分・消毒などを行ないます。部屋に浸水した水をそのままにしておくと悪臭やカビが発生するため、水害前と同じ状態になるよう復旧作業をします。

特殊清掃員の給料事情

特殊清掃員は給料が高い仕事に思われがちですが、イメージほど高くはありません。むしろ肉体的・精神的にハードなため、それに比べて給料が低いと考える人も多いでしょう。

特殊清掃員の年収は400万円前後、月収で30~35万円ほどの求人がメインです。

年々特殊清掃の需要が高まっていることもあり、最近では24時間体制の会社も多く存在します。また、作業中は体液・血液による感染防止の観点から完全防備です。ニオイの面から窓を開けられないことも多く、作業中は常にサウナ状態になります。

このように危険と隣り合わせの作業も多く、とてもハードな仕事です。ただ、ニーズの高さや将来性は期待できるでしょう。

特殊清掃員に向いている人・向いていない人

特殊清掃員に向いているのはどのような人か、その特徴を解説します。

向いている人

特殊清掃員に向いている人の特徴は4つです。

  • 体力に自信がある
  • メンタルがタフ
  • ニオイに鈍感
  • 人の役に立ちたい

遺品整理の際に家財の搬出を行なうことがほとんどです。さらに、団地やマンションなど住んでいる場所によってはエレベーターが使えません。すべて階段で運び出すこともあるため、体力に自信がある人が向いています。

また、特殊清掃は非日常的な現場がほとんどです。現場を見て精神的ショックを受ける人も少なくありません。そのなかでもメンタルを維持できるタフさが必要になります。

ただし、特殊清掃員は、人の役に立つ仕事です。清掃後は大家さんや家族から大変感謝されます。人が嫌がることだからこそ、誰かの役に立ちたいと強く思っている人が向いている仕事です。

向いていない人

特殊清掃員に向いていない人は以下のとおりです。

  • アルバイト感覚
  • 覚悟がない
  • 食べることが好き

特殊清掃員の仕事を一般的な清掃業とイメージする人も多く、軽くとらえている人もいます。しかし、思っていたものと違うという理由ですぐ辞めてしまうのが現状です。

また、腐敗臭は自分の体にもつくため、お風呂に入ってもなかなか落ちません。ふとしたときに感じるニオイに食欲減退することも多く、食べることが好きな人にはあまり向いていない仕事です。

特殊清掃員になるにはどうすればいい?

特殊清掃員になりたいけど、どうしたらなれるのか。その方法を紹介します。

資格などは不要

基本的に、特殊清掃員になるための資格は必要ありませんが、持っていると仕事に活用できる資格はいくつか存在します。

ただし、どの資格も特殊清掃会社に入社後、必要に応じて取得する流れで問題ありません。

・事件現場特殊清掃士
事件現場特殊清掃センターが発行する民間資格です。受講資格は特になく、2ヵ月ほどで取得できます。おもに特殊清掃に関する知識・法令、実務に向けた心構えなどを学びます。

・遺品整理士
一般社団法人遺品整理士協会が発行している資格です。誰でも受講可能で、2ヵ月ほどで取得できます。おもに遺品整理に関連する基礎知識を学びます。

・脱臭マイスター
一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会が発行する資格です。1日から2日の受講で取得できます。もともとはホテルや介護施設向けでしたが、特殊清掃にも役立ちます。

特殊清掃会社の求人に応募しよう

特殊清掃員になりたいと思ったら、まずは求人に応募してみましょう。特殊清掃員の求人はハローワーク・無料の求人誌・インターネットなど、さまざまな場所で探せます。

ハローワークの求人票は文字のみの情報のため、イメージしづらいこともあるかもしれません。実際に会社のホームページを確認し、業務内容や給与形態などをチェックするとイメージしやすくなります。

まとめ

特殊清掃員の仕事内容やなり方について紹介しました。

特殊清掃員は、さまざまな現場の清掃を行ないます。一般的な清掃とは違い、精神的・肉体的に影響を受ける現場がほとんどです。

そのなかで必要なのが、やる気と責任感です。現場には故人が生きていた証がたくさん残っています。粗末にはせず、敬意を払って取り組むことができれば誰でもなれる仕事です。

少しでも特殊清掃員に興味のある人は、この記事を参考に就職を検討してみてください。

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この記事を書いた人

MIND株式会社のアバター MIND株式会社 代表取締役

遺品整理、特殊清掃の際には、ご遺族・ご親族さまの立場に立ち、心に寄り添い、残された品々を丁寧に適切に扱うことを信条としています。

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