特殊清掃業を開業するには?業務内容と必要な許可・資格を解説

特殊清掃業は、一般的な清掃業とは異なり、特殊な状況下での清掃や遺品整理、リフォームなど幅広い業務を行うことが特徴です。

この記事では、特殊清掃業の業務内容と開業に必要な許可・資格について解説します。これから特殊清掃業の開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

目次

特殊清掃業の業務内容

特殊清掃業は、孤独死現場の清掃、原状回復が主な業務となります。業務内容を具体的に分類していくと、以下の4つに分けることができます。

特殊清掃

特殊清掃とは、孤独死現場や自殺現場、時には犯罪現場など、通常の清掃では対応できない状況での清掃作業のことを指します。血液や体液などの汚染物質を除去し、環境を衛生的な状態に戻すことが目的です。また、感染症対策や脱臭作業も含まれます。

遺品整理

遺品整理は、故人が遺した品物を整理し、遺族の意向に沿って処分や譲渡を行う業務です。特殊清掃業者は、遺品整理のプロセスにおいて、遺品の適切な処分方法や価値査定、遺族の精神的ケアなどをサポートします。多くの場合、特殊清掃と遺品整理はセットで依頼されるため、「特殊清掃のみ」を行っている業者は多くありません。

ハウスクリーニング

特殊清掃では、汚染の除去後の完全な消臭と除菌のために、居室内を徹底的に清掃します。そのため、ハウスクリーニングは特殊清掃業者において非常に重要な作業で、このスキルが無ければクレームが止まらなくなるでしょう。

リフォーム

死亡から発見まで時間の経過した孤独死現場は、薬剤での特殊清掃のみでは完全に汚染を除去することができないケースが多々あります。その場合、床や壁の解体作業が発生することになります。その場合、もう一度居住可能な状態にするには、解体箇所のリフォームが必須です。ただし、業者によっては提携のリフォーム会社に作業を外注するケースも多く、すべてを自社で作業しなければいけないわけではありません。

特殊清掃業は、これらの業務を通じて、お客様のさまざまなニーズに対応し、快適な生活環境の提供を目指しています。また、特殊清掃業者は、感染症対策や環境保護などの観点からも、高い専門性と技術力が求められるため、適切な許可や資格の取得が重要となります。

特殊清掃と遺品整理で必要になる資格や許可

特殊清掃業や遺品整理業を開業するだけであれば、必須の資格や許可はありません。しかし、実際の作業を適切に行うためには、いくつかの許可が必要となります。ここでは、特殊清掃と遺品整理で必要になる許可についてご紹介します。

古物商許可

遺品整理において、遺品の中に貴重品や骨董品などが含まれることがあります。これらの品物を販売する際には、古物商許可が必要となります。古物商許可は、各都道府県の公安委員会に申請することで取得できます。

古物商許可を取得することで、遺品整理業者は遺品の買い取りを行うことができ、遺族にとっても適切な価格で遺品を処分することが可能となります。

建築業許認可の解体工事業登録

解体をともなう特殊清掃の作業を行うためには、建築業許認可の解体工事業登録が必要になってきます。建築業許認可の解体工事業登録を持っていると、建設業許可を持っていなくても500万円までの解体工事が可能になります。特殊清掃業者が解体を行う現場の多くは、500万円以下の工事費のため、登録しておくことで業務の幅が広がります。

特殊清掃業で取得すると便利な資格

特殊清掃業を開業する際に、取得しておくと便利な資格をいくつか紹介します。これらの資格は、業務の幅を広げるだけでなく、お客様からの信頼も得られるため、取得を検討してみてください。

事件現場特殊清掃士

事件現場特殊清掃士は、事件や事故の現場での清掃作業を専門とする資格です。血液や体液などの汚染物質を適切に処理する方法や、感染症対策、遺品整理などの知識が身につきます。この資格を取得することで、特殊清掃業の専門性が高まり、お客様からの信頼も得られます。

脱臭マイスター

脱臭マイスターは、さまざまな臭いの原因や除去方法に関する知識を持つ資格です。特殊清掃業では、タバコやペットの臭い、カビや水漏れによる臭いなど、さまざまな臭い対策が求められます。この資格を持つことで、お客様のニーズに応えられるサービスを提供できます。

遺品整理士

遺品整理士は、遺品整理のプロフェッショナルとして、遺族の心情に配慮しながら遺品の整理や処分を行う資格です。遺品整理の進め方や遺品の価値判断、遺品の処分方法などの知識が身につきます。特殊清掃業で遺品整理を行う際に、遺族の心情を理解し、適切な対応ができるようになります。

特殊清掃業を開業する際には、上記のような資格を取得しておくことで、業務の幅を広げることができます。また、資格を持つことでお客様からの信頼も得られるため、開業後の集客にもつながります。資格取得には時間や費用がかかりますが、長期的に見ると投資に値すると言えるでしょう。

特殊清掃業を開業する方法

特殊清掃業を開業するには、個人で開業する方法とフランチャイズを利用して開業する方法の2種類があります。

個人で開業する

個人で開業すると、1から自分で集客し、ノウハウも自ら蓄積していく必要があるため、売上を伸ばしていく難易度は非常に高いでしょう。

ただし、順調に売上を伸ばすことができれば、フランチャイズとは異なりすべて自分・自社の利益として確保できるため、利益率は高くなります。また、経営について他者から干渉されることもないため、自由な経営ができるのもメリットといえます。

フランチャイズで開業する

フランチャイズが活発な飲食業や販売業と比べると、募集をしている業者はさほど多くはありませんが、一部の特殊清掃業者が加盟店やコンサルティングを募集しています。

フランチャイズで開業することにより、本部(フランチャイザー)からノウハウの共有や集客のサポートを受けることができるため、開業初期から順調に売上を伸ばしていける可能性が高くなります。

ただし、フランチャイズの加盟時に数百万円の加盟金を支払う必要があったり、「毎月の売上の何%を本部に支払う」などのロイヤリティを支払う必要があります。このロイヤリティによって利益率は低くなるため、同じ売上高の場合は個人開業のほうが利益は多く残ります。

コンサル受けて個人開業とフランチャイズ開業、どちらが自分にとって最適なのか、総合的に判断して特殊清掃業を開業してください。

まとめ

特殊清掃業の業務内容としては、特殊清掃、ハウスクリーニング、リフォーム、遺品整理などがあります。特殊清掃の知識・スキルだけではなく、これらの知識やスキルが横断的に必要となるため、非常に専門性の高い業種であると言えます。

必須の資格や許可は多くありませんが、古物商許可や建築業許認可の解体工事業登録などは必要となるため、取得することを推奨します。

また、開業にはコンサル受けて個人開業とフランチャイズ開業の2パターンがありますが、自身にとってどちらが最適なのかを総合的に判断した上で、開業を進めていってください。

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この記事を書いた人

MIND株式会社のアバター MIND株式会社 代表取締役

遺品整理、特殊清掃の際には、ご遺族・ご親族さまの立場に立ち、心に寄り添い、残された品々を丁寧に適切に扱うことを信条としています。

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