特殊清掃とは?作業の流れや費用、業者選びのポイントを解説

特殊清掃とは、通常の清掃では到底原状復帰できない場合に行われる特別な清掃のことです。

一般の人にとってはなじみがないかもしれませんが、孤独死や事件・事故、災害などが起きたときに特殊清掃が必要になります。

また、最近では部屋をゴミ屋敷にしてしまい、自分で掃除できないほどの汚れや悪臭が出たときなどに、特殊清掃を依頼する方も増えています。

この記事では、特殊清掃作業の流れや費用、業者選びのポイントを詳しく解説します。

目次

特殊清掃とは

特殊清掃とは、孤独死や災害などが原因で、通常の清掃では原状復帰できない場合に行われる特別な作業です。

孤独死の清掃

孤独死とは、誰にも看取られず一人でお亡くなりになることです。一人暮らしをする人が増えている日本では、孤独死する人も増加傾向にあります。

孤独死するとお亡くなりになったあとも、しばらくは発見されないことが多くなります。一般社団法人日本少額短期保険協会が発表した「第7回孤独死現状レポート」では、孤独死した方が発見されるまでの平均日数は18日です。(※)

孤独死したあとに発見まで時間がかかると、ご遺体の腐敗は進みます。一般的には冬は死後1週間、夏は2日経てば腐敗が始まり室外にも悪臭が漂います。

腐敗が始まると部屋中に死臭が漂い、床には体液のシミができるのが普通です。害虫もたくさん発生するため、素人が一生懸命掃除しても原状復帰はできません。こういったときに、業者に特殊清掃を依頼することになります。

※出典:一般社団法人日本少額短期保険協会「第7回孤独死現状レポート

自宅の災害復旧

火災や水害などの被害を受けた住宅でも、原状復帰のために特殊清掃が行われることがあります。

火災の際は、煤(すす)の除去や消臭などが中心の作業です。水害の場合は、汚泥の影響で水に濡れた箇所がすべて不衛生な状態になっています。

水を完全に取り除いて乾燥させたあと、消毒や消臭を行うのが一般的です。いずれの場合も、必要に応じて床や壁の交換をすることもあります。

孤独死の特殊清掃の作業の流れ

孤独死の部屋を特殊清掃する際は、故人が亡くなった場所によって作業内容が変わってきます。今回は一般的な作業内容や流れをご紹介します。

除菌

孤独死した部屋の中には、目に見えない病原菌や悪臭、害虫などが大量に発生しています。このため、清掃作業に入る前に、室内に除菌剤や殺虫剤を噴霧します。

噴霧器を使って、部屋の隅々まで薬剤を撒く作業です。業者によっては、害虫の駆除を作業日前に行うケースもあります。玄関や窓の隙間には養生テープを貼り、悪臭や害虫が外へ出ていかないように注意します。作業員は感染予防のため、防護服を着用するのが一般的です。

汚染物の撤去

ご遺体から出た体液や血液などの汚染物を徹底的に除去します。場合によっては、汚染物が布団や畳などに染み込んでいることもあるため、体液や血液などで汚れた家財道具も一緒に撤去していきます。

亡くなった場所や状況に応じて、汚染物の撤去を進めるのが通例です。

汚染箇所の特殊清掃

孤独死の場合、ご遺体があった場所は特に汚染されています。お亡くなりになった場所によって次のような特殊清掃が必要です。

・居室:フローリングを解体して、床の継ぎ目に染み込んだ体液などを取り除く。
・トイレ:便座本体を取り外し、床下への汚染があれば染み込んだ汚れを取り除く。便器に汚染物があればすべて除去して、表面を磨く。
・洗面台:洗面台を撤去し、下部に流れた体液をすべて除去して、消毒をする。
・浴室:入浴中にお亡くなりになった場合には、汚染物を配管から流さないように、浴槽内の水から体液や固形物を手作業で除去する。浴槽に水がなければ、浴槽の表面や配管をきれいに掃除して、レジオネラ菌などの殺菌をする。

遺品整理

孤独死の場合、亡くなった方の遺品は生前のまま残っているものです。部屋を原状復帰させるためには、遺品の整理が必要となります。

ご遺族から「自分たちで遺品整理をしたい」と申し出がなければ、作業員が遺品整理も行うのが一般的です。

遺品整理では、貴重品や思い出の品は残し、不要品は分別して処分します。遺品が大量だったり汚れが付着していたりするときは、特殊清掃の前に遺品整理を行うこともあります。

ルームクリーニング

遺品をすべて室内から出したあと、部屋全体を清掃します。床や壁、水回りなどを徹底的に清掃し、次の方が入居できる状態にしていきます。

一般的なルームクリーニングと同じ作業ですが、特殊清掃の場合は害虫の死骸も多いため、より念入りな清掃が必要です。

オゾン消臭

オゾン消臭とは、高濃度のオゾン発生器を使って行われる除菌と消臭です。

オゾンを部屋の隅々に行き渡らせることで、短時間で室内の除菌消臭ができます。強烈な悪臭が残る部屋では、オゾン消臭を繰り返し行うケースもあります。

原状回復工事

原状回復工事とは、フローリングや洗面台、便器など、特殊清掃のために撤去したものをもとに戻す工事です。

悪臭や汚れがないことをしっかり確認したうえで、工事を行っていきます。床や壁紙の張り替えなどが必要なケースでは、リフォーム工事を行うこともあります。

引き渡し

すべての作業が完了したら、ご遺族や管理会社、大家さんなどの立ち会いのもと、部屋の引き渡しを行います。

特殊清掃にかかる費用の相場

先に挙げた「第7回孤独死現状レポート」では、孤独死発生の際に原状回復にかかった費用は平均約38万円となっています。

しかし、孤独死した状況や場所、発見されるまでの日数によって、特殊清掃にかかる費用は大きく変わってくるでしょう。
一般的に、特殊清掃の費用は約5万~70万円といわれています。内訳としては以下の通りです。

  • 床の特殊清掃:約3万円~
  • 浴室の清掃:約3万円~
  • 消臭剤や除菌剤の噴霧:約1万円~
  • オゾン消臭(一日あたり):約3万円~
  • 作業員の人件費(一日・一人あたり):約2万円~

特殊清掃が必要な箇所が広範囲であったり、遺品がたくさんあったりすると、その分作業に時間がかかります。

特殊清掃を依頼する業者の選び方

特殊清掃に対応している業者はたくさんありますが、安さだけで選ぶと後悔するでしょう。特殊清掃業者を選ぶポイントを3つご紹介します。

価格で選ぶのは危険

安さを売りにしている特殊清掃業者がいますが、価格だけで選ぶのは危険です。

特殊清掃には、相応の技術と特別な薬剤などが必須です。このため、清掃技術のある業者に依頼する際は、それなりの費用がかかることを知っておきましょう。

反対に、安い金額を提示してくる業者は、作業終了後に追加料金を請求したり、雑な作業をしたりする可能性があります。

極端に安い業者を選ぶよりは、見積もりをしたときに細かく内訳の記載があり、何にどの程度の費用が必要なのかをわかりやすく提示している業者を選びましょう。

消臭技術が重要

特殊清掃で最も重要なのは消臭技術です。汚染物を撤去するのは比較的簡単ですが、悪臭をしっかり取り除くためには技術が必要です。業者のホームページを見て、使用している薬剤や機材などを確認してみるとよいでしょう。

作業実績の多い会社を選ぶ

特殊清掃においては、経験が豊富であればあるほど、さまざまな状況に対応できるようになります。このため、実績や経験の豊富さは、業者を選ぶポイントです。
業者のホームページを見ると、実際に作業した事例が掲載されているかもしれません。わかりやすく写真付きで実績が掲載されているところを選ぶと安心です。

まとめ

身近な人が孤独死したときに、特殊清掃が必要になることがあります。特殊清掃の作業内容や費用は、部屋の状態によって変わってきます。しかし、特殊清掃においては悪臭を除去することが最も重要で技術も必要です。

業者を選ぶときは、安すぎるところを避け、消臭技術と実績を確認することをおすすめします。

当社・MIND株式会社は、東京多摩地域を中心に特殊清掃や遺品整理、不用品回収を多数承っております。特殊清掃の現場でも故人様やご遺族様の心に寄り添い、清掃から遺品整理、買取まで一括で対応可能です。

消臭・除菌技術にも自信を持っておりますので、近しい方が孤独死されて急に特殊清掃が必要になった際は、ぜひMIND株式会社までお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

MIND株式会社のアバター MIND株式会社 代表取締役

遺品整理、特殊清掃の際には、ご遺族・ご親族さまの立場に立ち、心に寄り添い、残された品々を丁寧に適切に扱うことを信条としています。

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