死臭はどんな臭い?死後に腐敗臭が起きる原因を解説

人間の死臭は、日常生活にあるものでは到底例えることができないほどの強烈な臭いをしています。

近年、少子高齢化が原因で、孤独死をする人が増えています。発見が遅れることも多く、その際に問題となるのが腐敗による死臭です。

今回は、死臭について解説するとともに、消臭方法についてもご紹介します。

死臭は市販の消臭剤などを用いても、自力で消すことはできません。必ず専門的な知識のもと、適切な処置を行なわなければなりません。その必要性についても詳しくお話します。

目次

死臭ってどんな臭い?

死臭を言葉で言い表すのは難しいですが、チーズや生ごみの腐った臭いに近い印象です。ほかにも、体毛の量や皮下組織の割合が人間と近い豚の腐敗臭にも似ています。

イメージだとあまりひどくないように感じますが、人はチーズや生ごみよりもはるかに大きいため、その臭いは強烈です。一度嗅ぐと、脳がびっくりしてしばらくその臭いを覚えてしまいます。ふとしたときに死臭を感じることもあり、一種のPTSD(心的外傷後ストレス障害)に陥るケースもあるほどです。

そのため、特殊清掃作業の際はガスマスクを着用し、臭いを少しでも軽減できるような対策が必要となります。作業時には窓を開けられないため、密室での作業になることがほとんどです。作業員はもちろん、近隣住民への被害を最小限に抑える配慮も必須です。

死臭を放置すると室内にひどく臭いが残り、完全消臭には高い技術が求められることとなります。

死後に腐敗臭が起きる原因

人間の体内にはたくさんの細菌が潜んでいますが、免疫作用によって体は守られています。しかし、死亡すると免疫がなくなるため細菌が少しずつ増殖していき、腐敗が進行していきます。この過程で起きるのが、体液の滲出と腐敗臭の発生です。

亡くなったときの環境にもよりますが、一般的に夏場で2~3日、冬場で5~7日ほどで腐敗臭が発生します。たとえ冬場でも、暖房の効いた部屋ではもっと早く進行してしまいます。

孤独死現場の消臭が難しい理由

死臭は強烈な臭いのため、個人の力で消すことは不可能です。市販の芳香剤や消臭スプレー、空気清浄機を用いても一時的な効果しかありません。その理由を説明します。

家財・部屋中の壁などが臭いを吸っている

死臭は主に、故人が腐敗していく過程で発生する腐敗ガスや滲出した体液が臭いの原因です。その臭いは家財や部屋中の壁、床に染みついてしまいます。

体液による汚れは専用の薬剤を用いて除去できますが、奥底まで体液が染み込んだ汚れは取り除けません。故人の発見が遅れるほど状況はより深刻化し、床下や支柱、断熱材にまで体液や血液が染みついているケースも少なくありません。

臭いの発生源である箇所を徹底的に除去し、適切な処置を施さない限り死臭を完全に取り除くことは不可能です。

また、臭いを吸い込んだ家財は、臭いの根源になりかねないため処分するのがおすすめです。場合によっては建物全体に腐敗による被害がおよび、リフォーム工事が必要になります。

家の汚れやホコリも吸収している

死臭は部屋のホコリや油汚れなど、至るところに付着します。特に、掃除が行き届いていない部屋やゴミの多い部屋は臭いが付着しやすくなります。

体液や血液には油分が含まれているため、臭いや汚れがつきやすい性質です。もともとある部屋にあった汚れにも付着しやすく、臭いを吸収してしまいます。

部屋の死臭を完全に除去するには、細かい汚れなどのクリーニングを部屋全体に行なうことが欠かせません。

孤独死現場を消臭するまでの流れ

実際に、孤独死現場をどのように清掃・消臭していくのか、詳しくご紹介します。

1.汚染物の撤去

まず、臭いの元である体液や血液が付着した汚染物を撤去していきます。故人が亡くなっていた場所の周辺にある物がメインです。

汚染物には細菌が多く、感染症のリスクもあるため、一通り除菌を行なってから袋に入れて運び出します。この際、ゴミの処分で使用するような普通の袋だと、搬出や積み込み時に臭いが漏れてしまいます。

リスクを最小限に抑えるためにも、圧縮袋などを使用して臭いが漏れるのを防ぎます。近隣住民への配慮は欠かせません。

2.汚染箇所の特殊清掃

次に、汚染箇所の特殊清掃を行ないます。床や壁にこびりついた体液と血液を除去していきます。この際、一般的な洗剤ではなく次亜塩素酸ナトリウムを使用することで、汚染箇所の除去や除菌に加えて高い消臭効果を発揮します。

また、血液や体液が床下や壁の内部まで染み込んでいるかチェックします。染みついた汚れは薬剤で落ちることは基本的にありません。特殊なシーリング材を用いて染み込んだ箇所の消臭を行ないますが、床の一部や全面の内装工事が必要になることも少なくありません。

3.遺品整理

次に、部屋にある遺品の整理・荷物の搬出を行ないます。家財に臭いが染みついているため、撤去して処分することがほとんどです。汚れが付着しているものは、しっかり拭き取ってから部屋の外へ搬出します。

また、孤独死の現場はセルフネグレクトのケースが多く、ゴミや物で溢れてている現場が多く存在します。必要なものと不要なものの整理を行ないながら、搬出作業を行ないます。

4.ルームクリーニング

ルームクリーニングは、完全消臭を行なうために欠かせない作業です。臭いは部屋の至る所にある汚れに付着しています。家財の搬出や汚染物の除去のみでは、完全に臭いを取り除くことはできません。

キッチンや換気扇の油汚れや、窓のサッシ、風呂場やトイレなどの水回り、玄関ドアなど、清掃していないところがないよう徹底的に行ないます。

5.オゾン消臭

部屋がきれいに整ったら、高濃度オゾン発生器を用いてオゾンショックトリートメント法(OST法)で部屋の消臭作業を行ないます。

OST法とは、一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会が推奨する消臭方法です。不安定な元素であるオゾンは、臭いの元となる元素とぶつかることで分子を分解し、酸素に変化させることができます。

この作用を利用し、高濃度のオゾンを部屋中に発生させることで、高い消臭力を発揮します。オゾンは人体に有害なため、きちんとした管理の元で作業を行ないます。

6.原状回復工事

最後に、原状回復工事を施します。フローリング・クロス・畳の張り替えはもちろん、トイレや浴室などで亡くなっていた場合はその箇所の取り替えも欠かせません。

通常の退去の場合、原状回復でリフォームを行なうことはまずありません。ただ、孤独死をした部屋は、原状回復のための工事が必要不可欠です。

元通りの部屋にすることで大家さんはもちろん、ご遺族にも安心していただけます。

まとめ

今回は、一般的な特殊清掃の内容とともに、完全消臭の必要性や死臭について解説しました。

死臭はほとんどの人が嗅いだことのない強烈な臭いです。そのため、孤独死のほとんどが臭いによって発見されます。

警察や葬儀社によって故人が部屋から運び出されたあとも、汚染物を除去しない限り死臭は漂い続けます。窓や換気扇の隙間から漏れ出し、近隣住民に被害がおよぶことも少なくありません。

たとえ体液や血液などの汚れが少量だとしても、自力で死臭を消すことは不可能です。たとえ除去できても染みついた臭いは消えず、時間とともに再度臭いが発生します。

決して自分では解決せず、専門業者の力を借りましょう。迅速に、適切な処置を施すことで完全消臭を実現します。

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この記事を書いた人

MIND株式会社のアバター MIND株式会社 代表取締役

遺品整理、特殊清掃の際には、ご遺族・ご親族さまの立場に立ち、心に寄り添い、残された品々を丁寧に適切に扱うことを信条としています。

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