特殊清掃の洗剤は市販のものでも大丈夫?業者が使用する洗剤との違いなどを解説

血液や体液などを除去する特殊清掃の洗剤は、市販のものでも対応できるのでしょうか。特殊清掃には費用をかけず、簡単に済ませたいと考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、特殊清掃を市販の洗剤で行うと、十分な除菌ができずに多くのリスクを抱える可能性があります。

この記事では、特殊清掃で除去が必要な汚れの種類と、その対策のために業者が使用する洗剤について触れたうえで、特殊清掃を業者に依頼すべき理由などを解説します。特殊清掃を自分でやろうと考える前に、一度こちらの記事をご覧ください。

目次

特殊清掃で除去が必要な汚れの種類

特殊清掃は、孤独死の現場やゴミ屋敷における特別な汚れに対応する清掃です。特殊清掃で対応する汚れは、油汚れやホコリなどの一般的な汚れとは異なります。特に孤独死の現場では、次のような汚れに対応しなければならない場面が多いです。

①血液
②体液
③悪臭・害虫

これらの汚れは、雑巾がけや換気などの一般的な清掃方法では対応が難しいものです。ここでは、特殊清掃で除去が必要な汚れの種類と特徴を解説します。

①血液

孤独死の現場では、吐血や怪我による血液が残っているケースも少なくありません。血液は、時間が経過すると床の木材や壁の壁紙に染み込んで除去するのが難しくなります。

さらに、感染症で亡くなった方の血液には病原菌が含まれているケースもあり、接触感染や空気感染の危険があります。

血液については、汚れを除去するだけでなく、徹底的な除菌による感染症防止対策も必要です。

②体液

人が亡くなってから時間が経過すると、遺体が腐敗して液状化が進みます。体液も、血液と同様に床や壁、畳にまで染み込んでしまうと完全な除去は難しいです。

体液の完全な除去が難しいケースでは、床や壁紙、畳の張り替えなどの解体・リフォームが必要になってしまいます。

③悪臭・害虫

孤独死の現場やゴミ屋敷で大きな問題となるのが、悪臭や害虫です。

悪臭の強い現場では、少しの時間でも身体中に臭いが染みついてしまいます。大量のウジ虫やハエが発生した現場も少なくありません。

悪臭が強く、害虫の多い現場を住める状態に戻すには、徹底的な消臭と害虫駆除が必要です。特に悪臭対策では、臭いの元を絶つための除菌剤や消臭剤の散布、オゾン噴射などを駆使しなくてはならず、個人で除去するのは難しいでしょう。

特殊清掃は市販の洗剤でもできる?

血液や体液の汚れが軽度の場合には、市販の洗剤でもある程度の対応は可能です。

血液はたんぱく質、体液は油が主成分となるため、それぞれの成分に対応できる洗剤を活用すれば、一応の除去はできるでしょう。しかし、市販の洗剤では、表面的な汚れは落とせても、染みついた臭いや菌までを除去しきれない可能性があります。

さらに、悪臭については、家中の木材や壁紙、ホコリや油汚れなどに染みついているケースもあり、市販の消臭剤や洗剤での対応には限界があります。

そのため、特殊清掃が必要な場面では、業者に依頼するのがおすすめです。

特殊清掃業者が使用する洗剤とは?

特殊清掃業者は、汚れの種類に合わせて洗剤を使い分けて対応しています。ここでは、特殊清掃を開始する前に使用する消毒用の洗剤と、血液対策、体液対策の洗剤の特徴を解説します。

①消毒用の洗剤

特殊清掃の開始前には、室内の消毒が欠かせません。特殊清掃の現場では、血液や害虫から感染症にかかる危険性もあります。そのため、作業の開始前に室内を徹底的に消毒します。

消毒剤の成分として使用されるのは、次亜塩素酸や安定化二酸化塩素が多いです。次亜塩素酸は、消毒効果のある物質で、新型コロナウィルスの影響でアルコール消毒剤が品薄となった際には、アルコール消毒剤の代替品としても使用されていました。安定化二酸化塩素は、次亜塩素酸よりも消毒効果の高い二酸化塩素に薬品を混ぜて安定化させたものです。

次亜塩素酸を含む商品は、ハイターをはじめとして市販もされています。一方で、安定化二酸化塩素はほとんど市販されておらず、業者が専門的に扱う物質となっています。

次亜塩素酸や安定化二酸化塩素による消毒作業は、部屋中にスプレーで噴射して行うことが多いです。消毒作業を行い効果が出るまで時間を置いたら、ようやく特殊清掃の作業を開始できます。

②血液対策の洗剤

血液の主成分はたんぱく質です。そのため、血液対策には、たんぱく質を浮かして除去できる洗剤を使用します。

たんぱく質は酸性のため、重曹や塩素系漂白剤などのアルカリ性の洗剤が効果的です。ほかにも、次亜塩素酸やオキシドール、セスキ炭酸ソーダなどを血液の付着場所や状態に合わせて使い分けることもあります。さらに、血液落とし専用に製造された洗剤もあるので、必要に応じて専用洗剤も使用します。

血液はお湯で固まる性質があるため、お湯でふき取るのはNGです。

③体液対策の洗剤

体液の主成分は油です。そのため、体液対策には、油汚れを落とすための洗剤を使用します。

油汚れ対策には、市販の洗剤も一定の効果があります。しかし、染み込んだ汚れは、業者が使用する業務用の洗剤でなくては十分に除去できません。

孤独死の発見が遅れたケースでは、業務用の洗剤でも汚れを落としきれないことがあります。その際には、部分的な解体やリフォームなしでは原状回復は難しいでしょう。

特殊清掃は業者に依頼する

特殊清掃は、基本的に業者に依頼することをおすすめします。ここでは、特殊清掃を業者に依頼すべき理由と、特殊清掃業者の選び方を解説します。

市販の洗剤では十分な除菌ができない

特殊清掃を業者に依頼すべき理由は、市販の洗剤では血液や体液などを取り除くのが難しいからです。中途半端な清掃では、十分な除菌ができずに感染症にかかるリスクもあります。さらに、特殊清掃は、精神的にも負担のかかる作業です。

特殊清掃の現場での感染症は、一生完治しないものもありますし、精神的なダメージも大きなトラウマとして残り続ける可能性があります。そのため、費用をかけてでも特殊清掃は業者に依頼して、自分での作業は避けるのが安心安全です。

特殊清掃業者の選び方

特殊清掃業者に依頼する際には、複数の業者で相見積りを取ることをおすすめします。1つの業者だけで見積りを取ると、費用の相場もわからないまま高額請求を受けてしまう可能性があります。

また、インターネットでの口コミや会社情報もしっかり確認するようにしましょう。残念なことに、特殊清掃業者には悪徳業者も存在しています。悪徳業者に騙されないためには、費用の相場についての理解と、積極的な情報収集が重要です。

まとめ

血液や体液の表面的な除去は、市販の洗剤でも不可能なではありません。しかし、市販の洗剤では除菌が不十分となり、感染症のおそれもあります。感染症にかかってしまうと、一生の病を抱えてしまうことにもなるため、特殊清掃は、業者に任せてしまうのが安心です。

MIND株式会社では、孤独死の現場やゴミ屋敷での特殊清掃を行っています。追加料金を発生させない明瞭な見積りを発行させていただきますので、高額請求の心配なく安心してご利用いただけます。特殊清掃業者をお探しの方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

MIND株式会社のアバター MIND株式会社 代表取締役

遺品整理、特殊清掃の際には、ご遺族・ご親族さまの立場に立ち、心に寄り添い、残された品々を丁寧に適切に扱うことを信条としています。

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