これってあるある?特殊清掃でよく起こる事例やトラブル

「特殊清掃の仕事をしているけど、よくあるトラブルを事前に知っておきたい」と考える人は多いのではないでしょうか。特殊清掃は人が亡くなった部屋を掃除することが多いため、肉体的・精神的負荷の高い仕事です。さらに、現場では想定外のことが起こり、作業が予定通り進まないケースもあります。

早急な対応が求められる特殊清掃では、作業が滞らないように起こり得るトラブルについて把握しておく方が良いでしょう。当記事では、特殊清掃でよく起こる事例やトラブルについて解説していきます。

目次

あるある①遺品整理の依頼で向かうと特殊清掃だった

特殊清掃業者が遺品整理の依頼で現場に向かうと、特殊清掃が必要な案件だったことはよくあります。遺品整理ということは、依頼先の物件で人が亡くなっている可能性が高いです。たとえば、依頼人の親族が孤独死してしまった場合、時間の経過具合では死臭などにより部屋や遺品に臭いが染み付いていることが考えられます。遺品整理といっても、部屋がきれいな状態でなくてはまともに進められないでしょう。

一方で、特殊清掃が不要なケースもあります。家主が家族に看取られたり、病院などの施設で亡くなられた場合です。故人の遺体が腐敗する前に葬儀を行うため、死臭が染み込むことはありません。

業者は遺品整理の依頼でも特殊清掃が必要なケースに備えて、特定の道具や備品を用意しておくようです。もし、特殊清掃会社が機材や資材を探さなければならないとしたら遅れにつながってしまい、臭いが床に染み付いて取れなくなるなどのさらなる問題を引き起こす可能性があります。遺品整理と特殊清掃は違うサービスのように思えますが、実は密接な関係があるのです。

あるある②荷物の搬出でエレベーターが使用できない

特殊清掃で遺品や家具家電を搬出する際に、高層階だとしても管理会社や住民からの要望で、エレベーターが使用できないケースがあります。エレベーターが使用できない理由として、死臭などが染み付いた遺品や家具をエレベーターで運んでしまうと、臭いが移る恐れがあるからです。また、搬出する荷物が大きすぎて、エレベーターで運べない場合もあります。

エレベーターが使用できなかった場合、非常階段から荷物を搬出しますが、通常よりも運び出す労力がかかったり、途方もない時間がかかったりして費用が高くなりがちです。悪徳業者の中には、作業当日に予定よりも時間がかかったり、荷物の搬出にエレベーターが使えなかったりして、追加料金を請求されるトラブルが発生しています。

適当に特殊清掃業者を選ぶのではなく、作業実績の多くて利用者からの評判が良いところを選びましょう。また、作業前に明確な見積書を記載してもらい、追加料金が発生しないようにするのも1つの手です。

あるある③緊急対応で帰宅が遅くなる

特殊清掃の仕事では、緊急対応で呼び出されて帰宅が遅くなることがあります。特殊清掃の多くは、これ以上の被害を軽減するために迅速な対応が必要な緊急事態で依頼されます。夜だから明日の朝から開始するといって作業を先延ばしにした結果、新たな問題が発生する可能性があるからです。特殊清掃の仕事は、お子さんやペットがいる家庭では、日々のお世話で大変な思いをするかもしれません。

一方で、特殊清掃業者は緊急の依頼に対応するための設備が整っており、被害を軽減し、迅速に作業を完了させるために必要な技術やテクニックに精通しています。豊富な経験を持つ特殊清掃員は、被害の拡大を最小限に抑えるために何をすべきかを正確に把握して、作業の手を抜かないため、どの時間でも安心して任せられるでしょう。

あるある④ゴミ屋敷状態になっている家の割合が高い

特殊清掃の依頼で先がゴミ屋敷となっている場合が多々あります。理由はいくつか考えられますが、一人暮らしの人がセルフネグレクトになってしまったケースが考えられるでしょう。セルフネグレクトとは、自分自身や環境のケアができず、家が散らかり放題、汚れ放題の状態になってしまうことです。生きていく上で必要なことをやらなくなり、結果として孤独死や自殺につながります。

セルフネグレクトによって孤独死した人は、身の回りの掃除もままならなかったことが想定されるため、ゴミ屋敷になっている場合が多いようです。ちなみに、事件が起きた事故物件が特殊清掃の対象ではなく、ゴミ屋敷の片付けも対象となります。

事故物件の片付けも、ゴミ屋敷の片付けも、様々な菌の発生や強い臭気を伴うため、専門の機材・薬品・設備で解体・消臭・除菌・害虫駆除を行うのです。ゴミ屋敷と事故物件の清掃手順に大きく変化はなく、特殊清掃業者でしか対応できないことがありますので、通常のハウスクリーニング業者に依頼しないようにしましょう。

あるある⑤他社の手直し作業の需要が高い

他社が行った作業を別の特殊清掃業者が請け負うことはよくあります。理由は様々ですが、特殊清掃が完了したのに、数日後には臭いが戻っているなどの問題が多いようです。想像しにくいと思いますが、実は他社が行った特殊清掃作業の手直しは、1から作業するよりも手間がかかります。たとえば、床に付着した血液や体液を除去するために薬品を使いますが、以前の業者と異なる薬品を使用してはいけません。もしも違ってしまった場合、薬品同士の化学反応で有毒ガスが発生する恐れがあるからです。

ちなみに、他社の手直し作業を安全に行うために、汚染箇所を解体する方法もあります。解体して修繕すれば、確実に臭いまで消せるでしょう。しかし、解体できない場合は浸透している薬品を調べる必要があるため、通常の特殊清掃よりも手間がかかります。ただし、床や壁などに表面上汚れがなにもない場合は、解体・リフォームが必要になると考えた方が良いでしょう。

依頼者は特殊清掃のやり直しを依頼しなくても良いように、業者選びを慎重に行わなければなりません。値段が相場よりも安すぎたり、作業実績が少なかったりすると、技術力不足で臭いを完璧に消しきれない恐れがあります。

遺体は時間が経つと腐敗して、死臭が建物に染み付いてしまうため、急いで特殊清掃業者を焦ってしまうかもしれません。しかし、急いでいるからと言って、目についたレベルの低い特殊清掃業者に依頼すると余計な手間が発生して、被害が拡大する恐れがあります。複数の特殊清掃業者から見積もりを出してもらい、利用者の声や業者の資料を確認してから依頼先を決めるようにしましょう。

まとめ

特殊清掃は需要がある一方で、その分トラブルも発生しています。特殊清掃は死臭などが部屋に広がる前に早急な対応が求められる重要な仕事です。事前に起こり得るトラブルを想定しておき、問題なく作業を終わらせる必要があります。

また、特殊清掃で使用される化学薬品の多くは、使用方法を間違えれば健康に害を与える可能性があります。特殊清掃業者として、安心安全に作業を行って依頼者のニーズに応えましょう。

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この記事を書いた人

MIND株式会社のアバター MIND株式会社 代表取締役

遺品整理、特殊清掃の際には、ご遺族・ご親族さまの立場に立ち、心に寄り添い、残された品々を丁寧に適切に扱うことを信条としています。

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