特殊清掃に必要な資格・免許はある?

孤独死の部屋をきれいにする特殊清掃には、どのような資格や免許が必要なのでしょうか。

通常の清掃業とは異なり、特殊な現場を担うため専門的な知識が必要なイメージを持つ人も少なくありません。汚染物の除去や消臭には細菌感染のリスクがともなうだけでなく、特殊な機械や薬剤の使用が欠かせません。

今回は、特殊清掃に必要な資格や免許についてご紹介します。

特殊清掃員として働く人はもちろん、特殊清掃業を行なっている会社が必要な免許についても解説します。特殊清掃員に興味がある人や、特殊清掃の依頼先に迷っている人は参考にしてください。

目次

特殊清掃の業務で必ず取得しなければいけない資格や免許はない

特殊清掃員として業務を行なう際、必ずしも取得しなければならない資格や免許はありません。誰でも業務に携わることが可能です。

ただ、資格が必要ない分、専門的な知識を持たない特殊清掃業者も多く存在します。業務のサービスレベルが低く、臭いや汚れが取れていないなどのトラブルになるケースも少なくありません。

特殊清掃では現場で培った経験も大切ですが、それ以上に臭いや汚れに関する専門的な知識が重要となります。

特殊清掃に関連する資格や免許

先述のとおり、特殊清掃に必要な資格や免許はありませんが、持っていると役立つ資格をいくつかご紹介します。

除菌マイスター認定証

除菌マイスターは、一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会が発行する民間資格です。講習会を通じて、高品質な除菌や脱臭技術について学べます。細菌による感染症のリスクをともなう特殊現場においても、除菌に関する知識はとても有効です。

除菌マイスターは、講習会を受講することで資格を取得できます。講義内容は、除菌サービスを行なうために必要な薬剤・機材に関する基礎知識をはじめ、除菌作業に関する知識、薬剤の管理方法などを学べます。

孤独死脱臭マイスター認定証

孤独死脱臭マイスターは、一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会が発行する民間資格です。孤独死の現場において、確実かつ迅速な原状復旧を実現するために必要な技術を習得できます。

講義内容は孤独死の現場復旧を行なうために必要な基礎知識をはじめ、現場復旧のための具体的な作業方法、孤独死に関連する菌の基礎知識などを学びます。

臭気判定士

臭気判定士とは、悪臭防止法に基づき創設された国家資格です。公益社団法人におい・かおり環境協会が実施する臭気判定士試験に合格するか、試験前に各検査機関にて嗅覚検査に合格すれば資格を取得できます。

特殊現場において臭いは大きな課題であり、業務を行なうにあたって完全消臭は必須条件です。専門知識を活かして、特殊清掃現場の消臭に役立ちます。

脱臭マイスター

脱臭マイスターは、一般社団法人日本除菌脱臭サービス協会が発行する民間資格です。おもに、脱臭や消臭に関する知識を学べます。

なかでも、OST法(オゾンショックトリートメント法)は特殊現場において非常に活躍する知識です。OST法とは、臭いの種類や強さに関係なく、短時間で強力に消臭可能な消臭方法です。

そのほかにも、脱臭作業についての知識、代表的な臭気物質に関する基礎知識などを学べます。受講資格は特になく、1日〜2日程度の受講で取得可能です。

事件現場特殊清掃士

事故現場特殊清掃士は、事故現場特殊清掃センターが発行している特殊清掃に関する民間資格です。基礎知識はもちろん、関連法令の解釈や実務に向けた心構えなど、特殊清掃に必要な知識をまんべんなく学べます。

誰でも受講可能で、送られてきたテキストを参考にしながら勉強を進めていく形式です。最後に試験を受けて見事合格すれば、事故現場特殊清掃士の資格を取得できます。

遺品整理士

遺品整理士は、一般社団法人遺品整理士協会が発行している民間資格です。遺品整理の代表的な資格ですが、特別必要かといわれるとそうでもありません。ただ、遺品整理についての基礎的知識を学べるため取って損はない資格です。

受講資格はなく、約2ヵ月の受講で資格の取得が可能です。自宅に送られてきたテキストをもとに勉強をしていきます。

おもに遺品整理の基礎知識をはじめ、遺品整理の現場での振る舞い方や法律などの基礎知識を学べます。合格率が非常に高く、しっかり勉強すれば誰でも簡単に取得できる資格です。

特殊清掃会社が取得する資格や免許

個人で取得する資格や免許についてご紹介しましたが、会社が取得すべき資格や免許もいくつか存在します。

古物商

特殊清掃を行なっている業者のほとんどが、遺品整理と不用品の買い取りを行なっています。それを行なうためには、必ず古物営業許可(古物商)の取得が必要です。

ほかにも守らなければならないルールが多く、違反すれば罰則を受けることになります。また、古物商許可を取得する手続きは非常に複雑なため、行政書士に依頼して取得するのが一般的です。

建築業許認可の解体工事業登録

解体工事業登録とは、建設リサイクル法により制定された登録制度です。登録を受ければ建設業許可を持っていなくても、工事費が500万円以下の解体工事を行なえます。

都道府県知事による登録が必須で、登録条件は主務省令で基準を満たす技術管理者がいること、定めている不適格要件に該当しないことです。

特殊清掃現場の原状回復にリフォームをすることは多くあります。汚染物の除去や完全消臭には、床下やフローリング、壁のリフォームは欠かせません。

その他、特殊清掃員として働くために必要な資格や免許

ここからは、特殊清掃員として働くために必要な免許や資格についてご紹介します。

運転免許

特殊清掃員として欠かせないのは運転免許です。求人の応募要項で必須条件としている会社は多くありませんが、あると非常に便利です。

特殊清掃の際、遺品整理や家財処分を同時に行なうことは少なくありません。大型の家具や家電をはじめ、故人の所持品や部屋のゴミの搬出・処分を行ないます。

その運搬にはトラックが必ず使用されます。複数人で作業するため必ずしも必要ではありませんが、持っていると会社の戦力として役立ちます。

まとめ

今回は、特殊清掃に関する資格や免許についてご紹介しました。

特殊清掃を行なう際に、必ずしも必要になる資格や免許はありません。特殊清掃員として働きたい場合は、誰でもなることができます。

ただ、過酷な現場のなかで専門的な知識はとても役に立ちます。資格や免許は、仕事にやりがいを感じてステップアップしたい人はもちろん、品質の高いサービスを行なっている会社を見極める1つの判断基準にもなります。

今回ご紹介したいくつかの資格や免許を参考に、就職先や特殊清掃の依頼先を見つけましょう。

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この記事を書いた人

MIND株式会社のアバター MIND株式会社 代表取締役

遺品整理、特殊清掃の際には、ご遺族・ご親族さまの立場に立ち、心に寄り添い、残された品々を丁寧に適切に扱うことを信条としています。

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