特殊清掃の現場が壮絶といわれる5つの理由

皆さんは特殊清掃に対してどのようなイメージを持っていますでしょうか。

特殊清掃の現場は非常に大変かつ壮絶で、想像以上に過酷なものとなっています。しかし、特殊清掃を行ったことがない人にとって、なぜ特殊清掃の現場が壮絶だと言われているのか、いまいちわからない人も多いのではないでしょうか。

そこで、特殊清掃の現場がいかに壮絶かどうか理由を知ることで、どれだけ大変なのかがわかります。それでは、特殊清掃が壮絶だと言われる理由についてご説明しましょう。

目次

特殊清掃が壮絶な理由①部屋に入れないほどの悪臭

特殊清掃が壮絶である理由の一つが、部屋に入れないほどの悪臭が部屋いっぱいに立ち込めているからです。

基本的に特殊清掃が必要になった現場は住人の孤独死が原因で、数日~数ヵ月ほど放置されたことによって遺体の腐敗が進んでいる傾向にあります。腐敗が進んだ身体からは腐敗臭が発生するため、部屋を開けた瞬間に腐敗臭が混ざった悪臭が噴き出てきます。

この悪臭は短時間でも同じ空間にいられないほどきつく、長らく開けられていなかった窓や引き戸などを開けてしばらく換気しなければならないほどです。

人の身体は亡くなると体内でガスが発生して遺体が膨張し、やがて腐敗していきます。そのような部屋は一般的な清掃業者では対処できないため、特殊清掃業者に依頼されるのが基本です。

とはいえ、いくらベテランの特殊清掃業者であっても、部屋に入れないほどの悪臭がするときは作業どころの話ではありません。したがって、悪臭がある程度取り除けるまで換気する必要性があります。

ベテランであればある程度の悪臭には耐えられますが、新人の作業員は耐えられずに吐き出してしまうこともあるそうです。これが特殊清掃が壮絶と言われる大きな理由の一つです。

特殊清掃が壮絶な理由②部屋に残った血液・体液

特殊清掃の現場には、部屋に残った血液や体液が残ったままであったり、床にシミとなって残っています。

人の身体は亡くなると体内でガスが発生して遺体が膨張し、やがて腐敗していきますが、遺体が膨張した後は徐々に溶けてガスが噴き出していきます。このとき、ガスと同時に血液や体液も溢れるため、部屋中に腐敗臭が充満するだけでなく、人の身体を中心に全身から血液や体液が漏れ出てくるのです。

遺体が腐敗するスピードは季節によって大きく変わるもので、夏場なら死後一日~二日、冬場でも数日程度で腐敗し始めていきます。夏場は熱気や湿気などで遺体が腐敗しやすい環境なので、早めに血液や体液が噴き出てくるでしょう。

特殊清掃業者にとって部屋に体液や血液が残されている現場は珍しくなく、その部屋をもとに戻すために徹底してきれいにしなければなりません。遺体を片付けるだけでも心苦しいのに、その上血液や体液まで掃除しなければならないとなると、現場はもちろん作業員も精神的に過酷な状況下で作業することになります。

特殊清掃を行なうタイミングが悪ければ腐敗途中で、まだ血液や体液が噴出している状態で対処しなければならないこともあるでしょう。

特殊清掃が壮絶な理由③ハエ・ウジ虫などの害虫

特殊清掃が壮絶なのは遺体の状況だけでなく、部屋中に沸いている害虫の駆除にも対処しなければならないことです。

基本的に腐敗が進んだ遺体にはハエやウジ虫などの害虫が群がっています。部屋を開けた瞬間にやってくるのは耐え難い悪臭のみならず、新鮮な空気を求めてやってくる大量のハエが飛び出してくることが多いです。

部屋中には遺体を求めてやってきたハエが飛び回り、ウジ虫が大量に発生しているだけでなく、ウジ虫の卵までも散乱している状態です。それだけならまだしも、腐敗臭や死臭を嗅ぎつけてハエが飛び回っており、遺体の粘膜部分に産卵していきます。

卵から孵ったウジ虫やゴキブリ、ハサミムシなどのさまざまな害虫が遺体の肉を食べて成長しているのです。これがおもな原因となって遺体を骨にしていきます。

数ヵ月前までは生きていたはずの身体が放置され、息絶えてもなお害虫の餌食になってしまう惨状に、吐き気を感じない人はいないかもしれません。

特殊清掃中はさまざまなものやむなく踏みつけていきますが、特に不快に感じやすいのは遺体の肉を食べて育ったウジ虫が蛹化したサナギを踏みつけたときが挙げられます。

サナギを踏みつけたときの不快な感触が足の裏から全身に伝わるため、ベテランでも全身に悪寒が走るほどの感覚が苦手という人もいるそうです。

特殊清掃が壮絶な理由④故人様の生活模様が見えるお部屋

特殊清掃を行なっている最中に精神的に辛く感じてしまうのは、故人様の生活模様が見える部屋を掃除しなければならないことです。

遺体の腐敗が進み、部屋中に腐敗臭が充満していても害虫が大量に増殖していても、部屋の生活模様はそこまで変化することはないでしょう。部屋の状態を確認するときに、「こんな生活を送っていたんだな」とわかることで、心が痛むことも多くあります。

基本的に特殊清掃はすべての部屋を徹底的にきれいに掃除しなければならないので、部屋中のフローリングや畳、壁、トイレ、浴室、キッチンなどを徹底的にきれいにしていきます。数ヵ月、何年と放置されていたとき、頑固な汚れを取り除くために何日も時間をかけることもあるでしょう。

中でも精神的に来やすいのが、個人様の遺品整理をしなければならないときです。

タンスの奥にしまわれていた記念品や、飾られていた家族の写真、遺書らしきものなど、さまざまな遺品を整理していかなければなりません。

遺品整理を続けていると、故人様が今までどのような人生を送ってきたのか、どのような状況下で亡くなられたのかが垣間見えるのが精神的に辛いところです。特殊清掃を通じて遺品から故人様の人生を感じ取れるのは特殊清掃業者のやりがいの一つではありますが、慣れていないうちは非常に辛く感じることもあるでしょう。

特殊清掃が壮絶な理由⑤事件現場であることも

特殊清掃の必要性があるのは、何も「住人が孤独死した」などといった状況に限りません。

時には凄惨な事件現場となった部屋の特殊清掃を行なうこともあります。事件現場の特殊清掃を行なうとき、一般的な特殊清掃の現場とは違い、部屋が荒らされていたり、おそらく故人様の血液であろう液体が周辺に飛び散っていたりすることもあるでしょう。

ただでさえ特殊清掃は故人様の遺体や壮絶な状況を受け止めたうえで清掃しなければならないのに、事件現場ともなれば誰かに襲われた故人様の遺体を見なければなりません。

もしも事件現場となって発見されるのが遅いとき、現場には腐敗臭や大量の害虫はもちろん、血液や体液でできた黒々とした人型のシミを目視することになるでしょう。

どのような犯行で亡くなったにせよ、殺傷事件のときだと遺体があったであろう場所の周辺には黒く乾いた血液らしきものが飛び散っていたような状況も想像できるかもしれません。

どのようなことが原因で事件に巻き込まれてしまったのか、襲われた故人様は最後にどのようなことを考えていたのかなど、さまざまな感情が渦巻く状態で特殊清掃をしなければならないため、精神的にもかなりの負担がかかります。

事件の様子がありありと浮かぶ事件現場をきれいに清掃して再び住めるようにするのも、特殊清掃業者の役目であり、壮絶な体験を経ていると言えるでしょう。

まとめ

特殊清掃業者が行なう特殊清掃は、非常に壮絶な仕事であり、相当な覚悟がなければとても続けることはできないでしょう。

特殊清掃は、いわば故人様の死と向き合う大切な仕事であり、事件が起きた部屋も元通りにしなければなりません。

特殊清掃員も凄惨な現場を目の当たりにしながら清掃しなければならない以上、非常に過酷で壮絶な仕事なのです。

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この記事を書いた人

MIND株式会社のアバター MIND株式会社 代表取締役

遺品整理、特殊清掃の際には、ご遺族・ご親族さまの立場に立ち、心に寄り添い、残された品々を丁寧に適切に扱うことを信条としています。

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